外国人観光客宿泊者の快適性と利便性の確保

今回は、住宅宿泊事業(民泊事業)の適正な遂行のための措置のうち、「外国人観光客である宿泊者の快適性と利便性の確保」について、ご説明いたします。

住宅宿泊事業法(民泊新法)では、住宅宿泊事業者は、外国人観光客である宿泊者に対し、以下のことを講じる必要があるとしています。

①届出住宅の設備の使用方法に関する案内を外国語を用いてすること

②移動のための交通手段に関する情報提供を外国語を用いてすること

これは、最寄りの駅等への経路と利用可能な交通機関に関する情報のことです。

③火災・地震その他の災害が発生した場合における通報連絡先に関する案内を外国語を用いてすること

これは消防署・警察署・医療機関・住宅宿泊事業者への連絡方法の情報を提供する事です。緊急時に速やかに確認できるものを備えておく必要があります。

④快適性と利便性を確保するための措置を行うこと

上記①から④までの措置の実施にあたっては、必要な事項が記載された書面を居室に備え付けるほか、タブレット端末への表示などにより、外国人観光客である宿泊者が必要に応じて閲覧できるようにしておくことになります。

尚、宿泊予約の時点で、外国人観光客である宿泊者が、日本語を指定した場合は、外国語での案内は不要となります。

次回は、宿泊者名簿の備付けについてご案内いたします。

住宅宿泊事業者の衛生確保措置

今回は、住宅宿泊事業(民泊事業)の適正な遂行のための措置のうち、「衛生確保措置」と「宿泊者の安全の確保」について、ご説明いたします。

まずは、衛生確保措置についてです。

住宅宿泊事業法(民泊新法)では、届出住宅について、住宅宿泊事業者は、床面積に応じた宿泊者数の制限、定期的な清掃や宿泊者の衛生の確保を図るための措置をとることとされています。

居室の床面積は、宿泊者一人当たり3.3㎡以上を確保することが必要です。

また、居室の床面積には、台所や浴室、トイレや洗面所、廊下や押し入れ、床の間は含まれません。

そして、定期的な清掃と換気を行うこととされています。

次に、宿泊者の安全の確保についてです。

住宅宿泊事業法(民泊新法)では、住宅宿泊事業者は、届出住宅において、非常用照明器具の設置、避難経路の表示、災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るための措置を取らなければならないとしています。

但し、届出住宅が1戸建ての住宅や民泊が禁止されていないマンションの場合、家主が同居していて宿泊室の床面積が50㎡以下であれば、非常用照明器具の設置は不要です。

また、消防法令に基づいて規制を受ける場合や、市町村の火災予防条例に基づいて防火対象物使用開始届の提出が必要となる場合がありますので、届出の前に、建物の所在地を管轄する消防署などに確認する必要があります。


今回は、住宅宿泊事業(民泊事業)の適正な遂行のための措置のうち、「衛生確保措置」と「宿泊者の安全の確保」について、ご説明いたしました。

次回は、引き続き、住宅宿泊事業(民泊事業)の適正な遂行のための措置のうち、外国人観光客宿泊者の快適性と利便性の確保などについてご案内いたします。

民泊新法のガイドライン その2

今回は住宅宿泊事業法(民泊新法)のガイドラインの中の、住宅宿泊事業の定義についてご説明いたします。

まず、この法律において「住宅宿泊事業」とは、旅館業法に基づいて営業する人以外の方が、宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業です。そして、「人を宿泊させる日数」として、1年間で180日を超えないこととなります。180日はOKですが、181日では✖となります。

1年間とは、毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までの期間です。

「人を宿泊させる日数」とは、住宅宿泊事業者(個人の住宅を民泊として提供する方)ごとではなく、届出をした住宅ごとに計算します。例えば、1軒の住宅について、年の途中で住宅宿泊事業者に変更があった場合でも、新しい住宅宿泊事業者は前の住宅宿泊事業者が人を宿泊させた日数を引き継ぐことになります。

また、日数の算定については、宿泊料を受けて実際に人を宿泊させた日数を計算するもので、宿泊者を募集した日数ではありません。

そして、「人を宿泊させる日数」は届出住宅ごとに計算するので、例えば複数の宿泊グループが同一日に宿泊したとしても、複数日ではなく、1日として計算します。

ところで、住宅宿泊事業(民泊事業)は、旅館業と異なり宿泊拒否の制限を課されていません。例えば宿泊の条件として、合理的な範囲で宿泊者に対して一定の要件を提示しても住宅宿泊事業法に反しません。しかし、宿泊拒否の理由が差別的なものである場合や偏見に基づくものである場合は社会通念上、不適切となることもあるので留意することが必要です。

今回は住宅宿泊事業法(民泊新法)のガイドラインの中の、住宅宿泊事業の定義についてご説明いたしました。

次回は、衛生確保措置や騒音防止のための説明など、住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置についてご案内いたします。

民泊新法のガイドライン その1

今回は、住宅宿泊事業法(民泊新法)のガイドラインの中の、住宅の定義についてご説明いたします。

このガイドラインは、住宅宿泊事業法(民泊新法)に係る解釈・留意事項を取りまとめたものです。

まず、「住宅」の定義ですが、次の二つの要件いずれにも該当する家屋であることとしています。

一つ目は、台所・浴室・トイレ・洗面設備など、生活するために必要な設備があることです。

二つ目は、現に人が居住している家屋であるか入居者の募集が行われている家屋、或いは随時その所有者、賃借人又は転借人が居住している家屋であることです。

一つ目の「設備」について、これらの設備は必ずしも1棟の建物内にある必要はなく、例えば浴室のない「離れ」について、浴室のある同一敷地内の「母屋」と併せて一つの「住宅」として届け出ることは可能です。

また、いわゆる3点ユニットバスのように、一つの設備が複数の機能(浴室・トイレ・洗面設備)を有している場合でも、各設備を有していると見なされます。

各設備は一般的に求められる機能を有していればよく、例えば浴室については、浴槽がなくてもシャワーがあれば足り、トイレについては和式・洋式の別は問われません。

次に二つ目の「居住」に関しては、現に特定の人が継続して生活している家屋のことです。また、その家屋の所在地を住民票上の住所としている人が届出をする場合は、現に人が生活している家屋に該当しているといえます。

また、「入居者の募集が行われている家屋」とは、民泊事業を行っている間、売却または賃貸の形態で、人が居住するための入居者の募集を行っている家屋のことです。

そして、「随時その所有者、賃借人又は転借人が居住している家屋」の具体例として、①別荘等1年に数回程度利用している家屋、②転勤により一時的に居住地を移しているものの、将来的に再度居住するために所有している空き家、③相続により所有しているが、現在は常時居住しておらず、将来的に居住する予定である空き家、④別宅として使用している古民家などがあげられます。

要は、既存の家屋において、その所有者や賃借人等が使用の権限を有しており、少なくとも年一回以上は使用しているものの、生活の本拠としては使用していない家屋のことです。

一方、居住した履歴が一切ない民泊専用の新築投資用マンションは、これには該当しないので注意が必要です。

今回は、住宅宿泊事業法(民泊新法)のガイドラインの中の、住宅の定義についてご説明致しました。

次回は、同ガイドラインの中の、住宅宿泊事業の定義についてご案内いたします。

民泊新法での住宅宿泊事業者

2018年の外国人訪日客数が3,000万人を超え、来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、自宅を利用した民泊に興味をもつ方も多いのではないでしょうか。

民泊の場合、主な登場人物は宿泊者、住宅宿泊事業者、住宅宿泊仲介事業者、そして住宅宿泊管理業者です。

このうち、個人の住宅を民泊として提供する方を「住宅宿泊事業者」と呼びます。民泊新法では、この住宅宿泊事業者に係る制度が創設されました。

それによりますと、年間提供日数の上限は180日(泊)とし、都道府県知事への届出が必要となります。また、地域の実情を反映する仕組みも創設され、具体的には自治体による条例による規制も可能となっています。

家主には、例えば衛生確保措置や騒音防止のための説明、苦情への対応や宿泊者名簿の作成・備え付け、標識の掲示などが義務付けられています。

家主が不在の住宅の場合、上記の措置を「住宅宿泊管理者」に委託することが義務付けられています。

そして、都道府県知事は、住宅宿泊事業者に係る監督を実施することになっています。

このように、制度がはっきりと定められましたが、住宅宿泊事業法に係る解釈や留意事項をとりまとめたガイドラインも発表されていますので、次回はそれをご案内していきたいと思います。

Hello world!

WordPress へようこそ。これは最初の投稿です。編集もしくは削除してブログを始めてください !