技能実習生と労働基準関係法令 その2

今回も前回同様に、外国人技能実習生の受入れ企業として知っておくべき労働基準関係法令について、いくつかをご説明いたします。

1.中間搾取の禁止(労働基準法第6条) 何人も法律で許される場合のほか、他人の就業に介入して利益を得ることは禁止されています。違反例として、監理団体が自ら管理する口座に、事業主に技能実習生の賃金の一部を振り込ませて着服することが挙げられます。

2.労働基準法違反の契約の無効(労働基準法第13条) 労働基準法に定める基準に満たない労働条件は無効であり、無効となった部分は、労働基準法に定める基準によることとなります。

3.労働条件の明示(労働基準法第15条) 労働契約の締結に際し、労働者に対して、次の事項について労働条件通知書を交付する等により、労働条件を明示しなければならないことになっています。

  • 労働契約期間
  • 期間の定めのある労働契約(有期労働契約)を更新する場合の基準
  • 就業場所及び従事すべき業務
  • 労働時間(始業・終業時間、休憩時間、休日等)
  • 賃金(賃金額、支払いの方法、賃金の締切り及び支払日)
  • 退職に関する事項(定年の有無、解雇事由等)

従って、技能実習生が実習実施機関との間で労働契約を結ぶにあたり、労働条件を書面で渡されなかった場合は、違反となります。

尚、実習実施機関には、書面は日本語に加えて、技能実習生の母国語によっても作成するなど、内容が技能実習生に十分に理解できるようにすることが求められています。

4.解雇の制限(労働基準法第19条) 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間、並びに産前産後休業期間及びその後30日間の解雇は禁止されています。従って、業務上の負傷が原因で休業し、働ける状態になって出勤したところ、即時解雇されたような場合は、違反となります。尚、1年契約等、期間の定めのある労働契約は、やむを得ない事由がない限り、契約期間の途中で解雇することはできません。(労働契約法第17条第1項)

5.解雇の予告(労働基準法第20条、第21条) 労働者を解雇する場合には、原則として30日以上前に予告することとされています。予告が行われない場合には、平均賃金の30日分以上の解雇予告手当(予告期間が30日に満たない場合には、その不足する期間の平均賃金)の支払いを受けることができます。従って、予告なく即時解雇されたにもかかわらず、解雇予告手当が支払われなかったということであれば、違反となります。

6.休業手当(労働基準法第26条) 使用者の責に帰すべき事由により、労働者を休業させる場合には、休業手当(平均賃金の60%以上)の支払いが必要とされています。従って、「仕事がない」という理由で数日間休業させられたが、その分の休業手当が賃金支払日に支払われなかった場合は、違反となります。

次回も引き続き、受入れ企業として知っておくべき労働基準関係法令について、ご説明いたします。

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