技能実習生に係る厚生年金保険について

今回は、技能実習生に係る厚生年金保険の基礎について、ご説明いたします。

① 障害の状態になったとき、「障害厚生年金」が受けられます。万一、技能実習期間中の病気やけがにより一定の障害の状態になったときには、その状態に応じて給付を受けられます。給付を受けるためには、請求書に年金手帳、戸籍、診断書などの書類を添えて、年金事務所に請求する必要があります。必要な書類は、請求する方の配偶者や子の有無、病歴などにより異なりますので、年金事務所に問い合わせることになります。ちなみに、東京都内の年金事務所の管轄区域はこちらです。

② 亡くなったとき、「遺族厚生年金」が支給されます。万一、技能実習期間中に亡くなられたとき、亡くなわれた方によって生計が維持されていた遺族に遺族厚生年金が支給されます。支給対象となる遺族は、配偶者、子、父母、孫、祖父母です(妻以外は年齢の条件があります)。遺族が、亡くなられた方の子又は子のある配偶者の場合には、遺族厚生年金に加えて、遺族基礎年金が支給されます(子は年齢の条件があります)。給付を受けるためには、請求書に年金手帳や戸籍、死亡診断書などの書類を添えて、年金事務所に請求する必要があります。必要な書類は、請求される方の子の有無や亡くなわれた方の死亡の原因により異なりますので、この場合も年金事務所に問い合わせます。

③ 帰国するときや高齢になったとき、「脱退一時金」や「老齢厚生年金」が支給されます。<脱退一時金>6か月以上の厚生年金保険の加入期間を有し、技能実習期間中に障害や死亡といった保険事故が発生することなく帰国されるときには、脱退一時金を請求することができます。請求に当たっては、請求書に次の書類を添付して日本年金機構に提出します。パスポートの写し(氏名、生年月日、国籍、署名、在留資格が確認できるページ)、住民票の除票の写しなど、日本国内に住所を有しなくなったことを明らかにすることができる書類、銀行が発行した請求者本人の口座証明書等、国民年金手帳その他の基礎年金番号を明らかにすることができる書類。また、脱退一時金の受給要件として、日本年金機構が請求書を受理した日に、日本に住所を有していないことが必要ですので、帰国前にお住いの市区町村に転出届を提出します。<老齢厚生年金>日本と年金通算の社会保障協定を結んでいる国の年金加入期間のある方については、将来、年金を受給できる年齢になったときに、厚生年金保険の加入期間と協定相手国の年金加入期間を通算して、日本や相手国の老齢年金を受け取ることができる場合があります。但し、脱退一時金を受け取ると、脱退一時金を請求する以前の全ての厚生年金保険の加入期間は年金の受給に必要な資格期間ではなくなります。従って、脱退一時金を請求する際には請求書の注意書きをよく読んで慎重に検討する必要があります。尚、2017年8月より、年金(老齢給付)の受給に必要な資格期間が10年に短縮されています。

年金通算の社会保障協定を締結している相手国(2018年8月現在)は、ドイツ、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルク、フィリピンです。

④ 3号技能実習生として実習を受けようとする方への追加のご案内<脱退一時金>についてです。脱退一時金の支給金額は、日本の年金制度に加入していた機関に応じて、36か月(3年)を上限として計算されます。このため、3号技能実習生として実習を受けようとする方が、加入期間に応じた脱退一時金の受給を希望される場合には、技能実習2号終了後及び技能実習3号終了後の帰国の都度、請求することが必要です。尚、3号技能実習生として再入国することが見込まれる場合には、技能実習2号終了後の請求をするにあたって、一時帰国時に必ず転出届を提出し、日本に再入国する前に脱退一時金の請求書が日本年金機構に到達するようにしておきます。

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