介護職種の追加要件について

今回は、技能実習制度における「介護職種」の追加要件について概略をご説明いたします。

介護については、平成29年11月に技能実習の対象職種に追加されましたが、高齢者へのサービス提供が仕事となることから、介護修得レベルの追加要件や監理団体による実習実施機関に対する管理の徹底等、追加の要件が課されています。

まず、技能実習生に関しての要件ですが、技能実習制度本体の要件に加えて、以下の要件を満たす必要があります。

  • 第1号技能実習(1年目) 日本語能力試験のN4に合格している者
  • 第2号技能実習(2年目) 日本語能力試験のN3に合格している者

次に、実習実施者・実習内容に関する要件ですが、技術実習制度本体の要件に加えて、以下の要件を満たす必要があります。

  • 技能実習指導員のうち1名以上は、介護福祉士の資格を有する者その他これと同等以上の専門的知識及び技術を有すると認められる者(看護師等)であること。
  • 技能実習生5名につき1名以上の技能実習指導員を選任していること。
  • 技能実習を行わせる事業所が、介護等の業務(利用者の居宅においてサービスを提供する業務を除く)を行うものであること。
  • 技能実習を行わせる事業所が、開設後3年以上経過していること。
  • 技能実習生に夜勤業務その他少人数の状況下での業務又は緊急時の対応が求められる業務を行わせる場合にあっては、利用者の安全の確保のために必要な措置を講ずることとしていること。具体的には、技能実習制度の趣旨に照らし、技能実習生以外の介護職員を同時に配置することが求められるほか、業界ガイドラインにおいても技能実習生以外の介護職員と技能実習生の複数名で業務を行う旨を規定していることや、夜勤業務等を行うのは2年目以降の技能実習生に限定する等の努力義務を業界ガイドラインに規定することなどです。
  • 技能実習を行う事業所における技能実習生の数が一定数を超えないこと。
  • 入国後講習については、基本的な仕組みは技能実習法本体によるが、日本語学習(240時間(N3程度取得者は80時間))と介護導入講習(42時間)の受講を求めることとする。また、講師に一定の要件を設ける。

最後に、監理団体に関する要件についてですが、「介護」職種の場合は、以下の要件を満たす必要があります。

  • 次のいずれかに該当する法人であること。①商工会議所・商工会、中小企業団体、職業訓練法人、公益社団法人又は公益財団法人、②その法人の目的に介護事業の発展に寄与すること等が含まれる全国的な医療又は介護に従事する事業者から構成される団体(その支部を含む)であること。
  • その役職員に介護職として5年以上の経験を有する介護福祉士等(看護師等)がいるものであること。
  • 「介護」職種における第3号技能実習の実習監理及び受入れ人数枠拡大の可否(いわゆる「介護」職種における優良要件)は、「介護」職種における実績等をもとに判断すること。

以上のように、「介護」職種の作業の特有性を踏まえて、他の職種の要件に更に要件を加えて、介護サービスの質を担保するとともに、利用者の不安を招かないようにしているわけです。

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