ホテル・旅館業に関する様々な許認可について

今回は、ホテル・旅館業を始める際に必要な許認可についてご説明いたします。

ホテルや旅館、ゲストハウス等を始めようとする場合、旅館業法に基づく許可だけを取っておけばよいというわけではありません。その他にも様々な許認可が必要になることがありますので、どのようなものがあるのか知っておく必要があります。

まずは旅館業法に基づいて都道府県知事等の許可が必要となります。ホテルや旅館とゲストハウスの違いは、ゲストハウスは宿泊する場所を多人数で共用する構造と設備を設けている点です。ホテルや旅館のように一部屋を一つのお客様(団体でも)に独占して使用させるわけではありません。

ここで注意すべきは、住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)のことです。民泊新法の場合は、営業日数が1年間で180日をこえないこととされており、許認可を取得するのでなく、都道府県知事への届出が必要となります。180日を超えて人を宿泊させる可能性があるのであれば、旅館業法に基づく許可を取得すべきだといえます。

次に、宿泊事業に付随するサービスに関しても考慮しておく必要があります。

道路運送法  他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送する事業は事業種別ごとに許可が必要とされています。但し、宿泊者だけを対象とした宿泊サービス提供のための無償かつ最寄駅等(特急停車駅や空港等の主要な交通結節店等)への輸送であれば許可は不要ですので、自動車での輸送サービスを考えている場合、許可を取得するのかしないのか判断する必要があります。

食品衛生法  宿泊施設で飲食サービスを提供するのであれば許可を取得する必要があります。旅館業許可と同様に都道府県知事の許可となります。

温泉法   宿泊施設の浴場が温泉である場合には、温泉法に基づき利用等の許可が必要となります。これも都道府県知事の許可となります。

公衆浴場法  温湯、潮湯又は温泉その他を使用して、公衆を入浴させる施設に関しては都道府県知事の許可が必要となりますが、旅館業法の宿泊施設内の浴場施設については適用が無いものとされています。但し、宿泊施設外に施設を設けるのであれば許可が必要です。

風営法  もし宿泊施設内にライブハウスやクラブ、スポーツバー等を設置する場合、深夜に酒類を提供するバーを設置する場合には許可の取得や届出が必要になる可能性があります。

クリーニング業法  宿泊施設がクリーニングサービスを提供する場合、業務委託関係や設備の所在、収集方法等により、クリーニング業に関する届出が必要になる可能性があります。

酒税法  一般的に酒類を提供する場合には酒税法上の種類販売業許可が必要となりますが、飲食店における飲用目的での提供であれば酒類提供免許は不要となります。

資金決済法  商品券や食事券等を発行している場合、前払式支払い手段の発行者に該当する場合があります。もしも商品券等の発行残高が1,000万円を超える場合、財務局への届出及び基準日における未使用残高の合計額の2分の1の金額について供託が必要となる可能性があるので、注意してください。

また、宿泊施設としての不動産に関係する許認可にも注意が必要です。

都市計画法  用途地域等都市計画に従う必要があります。ホテルや旅館、ゲストハウスは、住宅専用地域に開業することはできません。

建築基準法  宿泊事業を始めるに当たり建築確認を受ける必要があります。民家を改築してゲストハウスにした場合なども、宿泊施設としての建築確認を受けることになります。

・消防法  防火の観点から消防設備等を設置する義務が生じます。宿泊施設の営業を始める前に、消防署に相談に行くことが求められます。

・海岸法・港湾法  宿泊施設が海岸に面していて、砂浜の利用や工作物等の設置をする際は、海岸管理者の許可が必要となります。

・自然公園法  宿泊施設を自然公園(国立公園、国定公園、都道府県立自然公園)に設けようとする場合、地区指定の種類に応じて開発行為が制限されることになります。

以上のように、ホテルや旅館、ゲストハウスを開業しようとする場合、実に様々な許認可が関わってくる可能性があります。周辺地域の理解と協力を得ながら、宿泊客に安全に滞在してもらうために必要なことであると考えれば、前向きに捉えることができると思います。

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