かいけつサポートについて

今回も、ADR(裁判外紛争解決手続)についてです。

まず、法務大臣から「かいけつサポート」の認証を受けた民間ADR事業者がおこなうADRと裁判との違いについてです。

紛争の解決方法といえば「裁判」が代表的ですので、裁判と「かいけつサポート」にどのような違いがあるのか、両者を比較してみます。

裁判と「かいけつサポート」の主な特徴
裁判かいけつサポート
主体裁判官各分野の専門家
秘密の保護公開非公開
手続の進行民事訴訟法に従った手続進行ニーズに応じた柔軟な手続進行が可能
費用裁判所の訴訟費用認証を受けたADR事業者に支払う費用
強制執行力ありなし

また、「かいけつサポート」を利用することには、主に次のようなメリット・デメリットがあります。

【メリット】
  1. 各分野の民間の専門家が手続を進めます
    かいけつサポートは、取り扱う紛争の分野に精通した民間の専門家の知識・ノウハウを活用します。これにより、紛争の実情を踏まえた、きめ細やかで迅速な解決を図ることが期待できます。
  2. 手続が簡便・迅速です
    法務省によると、かいけつサポート全体の取扱実績として、8割以上の事件が6か月以内に終了し、7割以上の事件が3回以内の審理で終了しています。この実績から、手続に時間や回数をかけずに、簡易・迅速に進められていることがうかがえます。
  3. 利用前に手続の進行や費用の目安を知ることができます
    かいけつサポートの事業者は、手続の開始から終了に至るまでの標準的な手続の進行や、当事者が支払う報酬・費用などの重要なポイントについて、事前に当事者に説明することが義務とされています。この説明を受けることにより、本当に自分にとってふさわしい解決方法なのかを、事前によく考えた上で利用することができます。
  4. 時効の中断等の法的特例が認められる場合があります
    第三者を交えてじっくり話し合いをしていると、その間に時効が成立してしまうことが考えられます。かいけつサポートを利用すれば、ADR法が定める一定の場合には、時効の中断が認められます。このほかにも、訴訟手続の中止や調停前置の特則といった法的特例が用意されています。
【デメリット】
  1. 相手方が話し合いに応じなければ手続を開始できません
    かいけつサポートは、当事者間の紛争を調停人・あっせん人が仲介しながら話し合いを進め、和解の合意を目指そうという手続ですから、相手方が話し合いに応じないといった場合には、そもそも手続を開始することができません。
  2. 途中で一方が手続から離脱すると、その時点で手続が終了します
    相手方が話し合いに応じて手続が開始されたとしても、一致点が見いだせない場合や、調停人の提示する和解案を当事者のどちらか一方でも受け入れなかった場合には、未解決のまま手続が終了することになります。
  3. 合意内容を強制的に実現させることができません
    かいけつサポートによる話し合いの結果で合意した内容は、一般的に和解合意書の形式でまとめられますが、強制執行力はありません。ただし、お互いの話し合いの結果で合意したものなので、合意内容が実施されないという例は実際にはあまりないようです。

次に、「かいけつサポート」を利用するためにはどうすればよいかについてです。

法務省では、「かいけつサポート」のウェブサイトを通じて様々な情報を提供しています。「かいけつサポート」の認証を受けた民間ADR事業者の情報を事業者名の一覧から探せるほか、「事務所の所在地」や「取り扱う紛争の分野・範囲」からも探すことができます。

「かいけつサポート」認証を受けている民間ADR事業者の名称や連絡先はこちらです。

なお、手続をスムーズに進めるために、「かいけつサポート」を利用する前には、次のようなことを整理しておくとよいでしょう。

(1)相手方の連絡先を確認しておく
あなたの依頼により「かいけつサポート」のサービスが始まると、依頼を受けた民間ADR事業者から相手方に郵便などで連絡や通知をすることになります。相手方の確実な連絡先などを事前に把握していると、手続がスムーズに進みます。

(2)自分の言い分を整理しておく
例えば、トラブルについて、その内容とともに、起きた日時や場所、原因などについて、あなたがどのように考えているか、といったことを事前に整理しておくと、話し合いたいポイントがはっきりします。トラブルに関連する資料などがある場合は、事前に整理して準備しておくとよいでしょう。

(3)自分がどのような解決を望むか想定しておく
話し合いを重ねても、あなたの言い分がすべて通るとは限りません。トラブルのどの点についてどこまで合意できれば相手方と和解してもよいか、いわゆる”落としどころ”を事前に想定しておくことが大事です。

※出所:政府広報オンライン

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