職業紹介事業の概要

今回から、職業紹介事業の許可申請についてご説明して参ります。まずは、職業紹介事業の概要につき、ご説明いたします。

職業紹介とは、職業安定法において、①求人及び②求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における③雇用関係の成立を④あっせんすることをいう、と定義されています。

①「求人」とは、報酬を支払って自己のために他人の労働力の提供を求めることをいいます。

②「求職」とは、報酬を得るために自己の労働力を提供して職業に就こうとすることをいいます。

③「雇用関係」とは、報酬を支払って労働力を利用する使用者と、労働力を提供する労働者との間に生じる使用・従属の法律関係をいいます。

④「あっせん」とは、求人者と求職者との間をとりもって、雇用関係が円滑に成立するように第三者として世話することをいいます。

従いまして、「人材派遣事業」と「職業紹介事業」は違う事業であり、人材のマッチングが職業紹介事業に当たります。

自ら求人・求職の申込みを受けず、求人・求職の申込みを勧誘する業務や、職業紹介事業者に対し、求人申込みの意向を持つ者がいる旨の情報提供を行うことは、職業紹介に該当しません。

一方、スカウト行為は、これを事業として行う場合は、職業紹介事業の許可等が必要です。

次に、職業紹介事業の種類についてですが、これには有料職業紹介事業無料職業紹介事業の2種類があります。無料であっせんを行っている場合でも許可等が必要です。

尚、労働力の需給調整システムとしての事業は、職業紹介事業のほかには労働者派遣事業であったり、労働者供給事業、請負事業などがあります。

また、職業紹介事業の取扱い範囲としては、有料職業紹介事業の場合、荷役など港湾運送業務、建設業に就く職業以外の職業ということになります。

次回は、許可申請についてご説明いたします。

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