旅館業法と住宅宿泊事業法(民泊新法)の制度比較

今回は旅館業法(簡易宿所の場合)と住宅宿泊事業法(民泊新法)の制度について比較してみます。例えば、ゲストハウスを創業する場合、旅館業法(簡易宿所)の許可を取るのか、それとも民泊新法に沿って届出をするのかを、経営者はまず判断することになります。

  • 制度比較
  旅館業法(簡易宿所の場合) 住宅宿泊事業法(民泊新法)
所管省庁   厚生労働省 国土交通省、厚生労働省、観光庁
許認可等   許可 届出
住専地域での営業 不可 可能(条例により制限されている場合あり)
営業日数の制限 制限なし 年間提供日数180日以内(条例で実施期間の制限が可能)
宿泊者名簿の作成・保存義務 あり あり
玄関帳場の設置義務(構造基準) なし なし
最低床面積の確保 最低床面積あり(33㎡。但し、宿泊者数10人未満の場合は、3.3㎡/人 最低床面積あり(3.3㎡/人)
衛生措置 換気、採光、照明、防湿、清潔等の措置 換気、除湿、清潔等の措置、定期的な清掃等
非常用照明等の安全確保の措置義務 あり あり 家主同居で宿泊室の面積が小さい場合は不要
消防用設備等の設置 あり あり 家主同居で宿泊室の面積が小さい場合は不要
近隣住民とのトラブル防止措置 不要 必要(宿泊者への説明義務、苦情対応の義務)
不在時の管理業者への委託業務 規定なし 規定あり
(申請)手数料 16,500円(簡易宿所営業) なし

・ゲストハウスを創業することを前提としますと、旅館業法(簡易宿所)の場合「許可」が必要となります。一方民泊新法ですと必要書類を揃えた後「届出」で済みます。

・用途地域のことも考慮する必要があります。旅館業法(簡易宿所)だと住宅専用地域では開業ができませんが、民泊新法だと可能です。(但し、地域の条例により制限されている場合あり)

・営業日数については、旅館業法(簡易宿所)だと制限なしですが、民泊新法だと180日いないという制限がかかります。これは大きな違いです。

・玄関帳場(フロント)の設置義務については、旅館業法(簡易宿所)と民泊新法ともに、不要となります。

・最低床面積の確保について、旅館業法(簡易宿所)の場合33㎡ですが、宿泊者数が10人未満の場合は、民泊新法と同様に一人につき3.3㎡となります。

・手数料については、旅館業法(簡易宿所)の場合のみ16,500円かかります。

上記のような制度の違いも踏まえ、経営者はどちらの制度を選ぶのか決めることになります。

外国人インターンシップについて

私が勤務している会社で受け入れていたマレーシアからのインターンシップ生が先日11月19日に帰国しました。経済産業省が推進している国際化促進インターンシップ事業で、約2か月半の間、マレーシア人の大学生1名(Sさん)を受け入れていました。Sさんは母国語である英語のほか、マレー語、中国語(北京語・広東語)それに日本語ができましたので、受入れた部門でもその言語能力を十分に活用してもらいました。

帰国前日の18日には、この事業に参加したインターンシップ生約40名とその受入れ企業が東京に集まり、「成果発表会」が開催されました。インターン生の国籍は、ベトナム、インドネシア、マレーシアからが多く、その他インドやエジプト、カザフスタン、カンボジアなどもいらっしゃいました。彼らは約50倍の競争から選ばれてきた大学生たちで、将来日本で働きたいと希望する方も少なからずいるようでした。彼らは約2か月半、日本の各地で受入れ企業で活動し、その地域で生活し、そこの社員たちと交流して過ごしました。「成果発表会」のどの企業の発表でも、インターン生の活躍と日本人との交流が取り上げられていました。受入れ企業はインターン生の国のよき理解者となるでしょうし、一方インターン生も、日本と母国をつなぐ橋渡し役として活躍していくと思います。

このような活動は、日本と外国の相互理解とお互いの国の繁栄に寄与するでしょうし、もっと活発に行われても良いと思います。

幸い日本には外国人の在留資格の一つに「特定活動ーインターンシップ」があります。この在留資格では、最長1年間インターン生を受け入れることができます。受入れ企業としては、この在留資格をもっと活用してみてはいかがでしょうか。

かいけつサポートについて

今回も、ADR(裁判外紛争解決手続)についてです。

まず、法務大臣から「かいけつサポート」の認証を受けた民間ADR事業者がおこなうADRと裁判との違いについてです。

紛争の解決方法といえば「裁判」が代表的ですので、裁判と「かいけつサポート」にどのような違いがあるのか、両者を比較してみます。

裁判と「かいけつサポート」の主な特徴
裁判かいけつサポート
主体裁判官各分野の専門家
秘密の保護公開非公開
手続の進行民事訴訟法に従った手続進行ニーズに応じた柔軟な手続進行が可能
費用裁判所の訴訟費用認証を受けたADR事業者に支払う費用
強制執行力ありなし

また、「かいけつサポート」を利用することには、主に次のようなメリット・デメリットがあります。

【メリット】
  1. 各分野の民間の専門家が手続を進めます
    かいけつサポートは、取り扱う紛争の分野に精通した民間の専門家の知識・ノウハウを活用します。これにより、紛争の実情を踏まえた、きめ細やかで迅速な解決を図ることが期待できます。
  2. 手続が簡便・迅速です
    法務省によると、かいけつサポート全体の取扱実績として、8割以上の事件が6か月以内に終了し、7割以上の事件が3回以内の審理で終了しています。この実績から、手続に時間や回数をかけずに、簡易・迅速に進められていることがうかがえます。
  3. 利用前に手続の進行や費用の目安を知ることができます
    かいけつサポートの事業者は、手続の開始から終了に至るまでの標準的な手続の進行や、当事者が支払う報酬・費用などの重要なポイントについて、事前に当事者に説明することが義務とされています。この説明を受けることにより、本当に自分にとってふさわしい解決方法なのかを、事前によく考えた上で利用することができます。
  4. 時効の中断等の法的特例が認められる場合があります
    第三者を交えてじっくり話し合いをしていると、その間に時効が成立してしまうことが考えられます。かいけつサポートを利用すれば、ADR法が定める一定の場合には、時効の中断が認められます。このほかにも、訴訟手続の中止や調停前置の特則といった法的特例が用意されています。
【デメリット】
  1. 相手方が話し合いに応じなければ手続を開始できません
    かいけつサポートは、当事者間の紛争を調停人・あっせん人が仲介しながら話し合いを進め、和解の合意を目指そうという手続ですから、相手方が話し合いに応じないといった場合には、そもそも手続を開始することができません。
  2. 途中で一方が手続から離脱すると、その時点で手続が終了します
    相手方が話し合いに応じて手続が開始されたとしても、一致点が見いだせない場合や、調停人の提示する和解案を当事者のどちらか一方でも受け入れなかった場合には、未解決のまま手続が終了することになります。
  3. 合意内容を強制的に実現させることができません
    かいけつサポートによる話し合いの結果で合意した内容は、一般的に和解合意書の形式でまとめられますが、強制執行力はありません。ただし、お互いの話し合いの結果で合意したものなので、合意内容が実施されないという例は実際にはあまりないようです。

次に、「かいけつサポート」を利用するためにはどうすればよいかについてです。

法務省では、「かいけつサポート」のウェブサイトを通じて様々な情報を提供しています。「かいけつサポート」の認証を受けた民間ADR事業者の情報を事業者名の一覧から探せるほか、「事務所の所在地」や「取り扱う紛争の分野・範囲」からも探すことができます。

「かいけつサポート」認証を受けている民間ADR事業者の名称や連絡先はこちらです。

なお、手続をスムーズに進めるために、「かいけつサポート」を利用する前には、次のようなことを整理しておくとよいでしょう。

(1)相手方の連絡先を確認しておく
あなたの依頼により「かいけつサポート」のサービスが始まると、依頼を受けた民間ADR事業者から相手方に郵便などで連絡や通知をすることになります。相手方の確実な連絡先などを事前に把握していると、手続がスムーズに進みます。

(2)自分の言い分を整理しておく
例えば、トラブルについて、その内容とともに、起きた日時や場所、原因などについて、あなたがどのように考えているか、といったことを事前に整理しておくと、話し合いたいポイントがはっきりします。トラブルに関連する資料などがある場合は、事前に整理して準備しておくとよいでしょう。

(3)自分がどのような解決を望むか想定しておく
話し合いを重ねても、あなたの言い分がすべて通るとは限りません。トラブルのどの点についてどこまで合意できれば相手方と和解してもよいか、いわゆる”落としどころ”を事前に想定しておくことが大事です。

※出所:政府広報オンライン

ADR(裁判外紛争解決手続)について

近所のペットの鳴き声で困っているとか、自転車と自転車が衝突してしまったとか、身近なトラブルを解決したいが、裁判にはしたくないという場合に、ADR(裁判外紛争解決手続)の利用も一つの方法です。

ADR(裁判外紛争解決手続)とは、民事上のトラブルについて、裁判によらずに、当事者と利害関係のない公正中立な第三者が当事者間に入り、当事者双方の言い分をよく聴きながら専門家としての知見を活かして、当事者同士の話し合いを支援し、合意による紛争解決を図る手続きです。

ADRの手続の一般的な流れは、次のようになります。

  • ADRを利用したい人(申込人)がADR事業者に申込みを行う。 ※申込みの内容が、話し合いによる解決の手続を行うのに適さない場合などは、受理されないこともある。
  • ADR事業者は、申込みを受理すると、ADR手続の開始について、相手方に連絡する。
  • 相手方がADR手続の開始に合意すると、ADR事業者により選任された手続実施者(調停人と呼ばれる人)が間に入って、申込人と相手方が話し合いを行う。 ※相手方がADR手続の開始に応じないと、ADR手続は行われない。
  • 申込人と相手方双方が合意すれば、ADR手続は終了する。 ※合意が成立しない場合、ADR手続は不成立となる。

一般的にADRには、「民事調停」や「家事調停」、「裁判上の和解」など裁判所が行うもの(司法型ADR)、公害等調整委員会や国民生活センターの紛争解決委員会などの行政機関・行政関連機関が行うもの(行政型ADR)のほかに、民間のADR事業者が行うもの(民間型ADR)があります。

民間ADR事業者には、地域の弁護士会や行政書士会といった士業団体のほか、家電製品や自動車、ソフトウェアなどの業界団体や消費者団体、NPO法人などがあり、各分野の専門的知見を利用できることが特徴です。

法務省は、民間事業者によるADRを安心して利用してもらうために、民間ADR事業者の申請に基づき、ADR法(裁判外紛争解決の利用の促進に関する法律)で定められた基準をクリアしているかどうかを審査し、その基準をクリアしている事業者を法務大臣が認証する制度(法務大臣による裁判外紛争手続の認証制度)を取り扱っています。認証のための主な基準は、次のとおりです。

認証基準(主なもの)

(1) トラブルの内容に応じた専門家を紛争解決の手続を進める人(調停人)として選任できるよう、専門的人材を確保していること。

(2) 当事者と利害関係のある人が調停人とならないような仕組みが備わっていること。

(3) 調停人が弁護士でない場合は、法的な問題に対応するため、弁護士の助言を受けることができるようにしておくこと。

(4) 紛争解決の手続について、標準的な手続の進行、資料の保管や返還の方法、費用の算定方法、苦情の取扱い等を定めていること。

(5) 当事者のプライバシーや秘密などを守るための体制が整っていること。

ADR法に定められた基準をクリアし、法務大臣の認証を受けた民間ADR事業者は、「かいけつサポート」の愛称とロゴマークを使用することが認められています。民間ADR事業者を選ぶ際は、「かいけつサポート」のロゴマークの有無を参考にするとよいでしょう。

解決サポートロゴマーク

現在、「かいけつサポート」の認証を受けた民間ADR事業者は、全国各地に160以上あります。

各事業者によって取り扱う紛争の分野・範囲は異なりますが、私が所属する東京都行政書士会(行政書士ADRセンター東京)としては、次の分野・範囲の紛争を取り扱っています。

  • 外国人の職場環境・教育環境に関するトラブル
  • 自転車事故に関するトラブル
  • ペットに関するトラブル
  • 賃貸住宅の敷金返還・原状回復に関するトラブル

送出し機関との不適切な関係についての注意喚起

外国人技能実習機構は、2019年10月31日付で、監理団体代表者を対象にして、「送出し機関との不適正な関係について(再度の注意喚起)」を、ホームページに掲載しております。

この内容を要約しますと次のようになります。

①法務省と厚生労働省は今年の10月8日付で、送出し機関との間で不適正な契約を締結していた監理団体について、技能実習法に基づき監理団体の許可を取り消したこと、

②理由は、監理団体が送出し機関との間で、「技能実習に係る契約の不履行について違約金を定める内容の覚書を交わしていたこと」と、「覚書の中で、技能実習法の規定に照らして不適正な内容の取決めを交わしていたこと」、

③送出し機関との不適切な関係については平成29年12月14日付で各監理団体に対して注意喚起を行ったところだが、今回のように、外国人技能実習機構に提出している契約とは別に送出し機関と覚書を交わし、技能実習生が失踪等した場合に送出し機関から違約金を受け取ることや、送出し機関から監理費以外の手数料又は報酬を受け取ることを約することは許されないことを再度注意喚起する、とされています。

飲食店営業許可 営業開始後に必要な届出

今回は、飲食店営業許可に関して、営業開始後に必要な届出についてご説明いたします。

まずは、変更届出です。次のような変更が生じたときは、変更届に営業許可書を添えて、変更のあった日から10日以内に提出しましょう。尚、変更内容によって次の書類が必要です。

1.(個人)結婚、離婚等による改姓 ⇒ 戸籍抄本 1通 

  (法人)商号、代表者氏名の変更 ⇒ 登記事項証明書 1通

2.(個人)営業者住所(住まい)の変更 ⇒ なし

  (法人)本社所在地の変更  ⇒  登記事項証明書 1通

3.営業所の名称、屋号の変更 ⇒ なし

4.営業設備の大要の一部変更 ⇒ 変更部分を明らかにした図面、営業設備の大要・配置図 各2通

5.法人形態の変更 ⇒ 登記事項証明書 1通

※4.5は、変更の程度、状況により新たに営業許可が必要になりますので、事前に保健所に相談しましょう。

次に、廃業届です。次のような場合、廃業届に営業許可を添えて、10日以内に提出します。

1.営業を廃止した。

2.営業所を移転した。

3.営業者が変わった。

4.増改築等で営業設備が変わった。

※2.3.4は新たに営業許可が必要です。ただし、3で相続、法人の合併または分割の場合、場合によっては承継が認められますので、事前に保健所に相談しましょう。

その他 法令等で届出事項等があらかじめ定められているものがありますので注意しましょう。例えば、生食用カキ取扱い届、食品衛生管理者専任(変更)届、ふぐ取扱所確認書交付申請書、ふぐ加工製品取扱い届、生食用食肉の取扱い開始報告書等

更新  営業許可期限満了後も引き続き営業されるときは、期限満了前に許可更新の申請手続きをすることが必要です。許可期限満了日の約1か月前に下記書類を提出しましょう。

  1. 営業許可申請書
  2. 現に受けている営業許可書(営業設備の大要・配置図添付)
  3. 営業許可更新手数料
  4. 1年以内に行った水質検査成績書(貯水槽使用水、井戸水使用の場合)
  5. 食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)

飲食店営業許可 営業施設の基準

今回は、飲食店営業許可に関する営業施設の基準についてご説明いたします。

まずは、営業施設の構造についてです。

  • 場所  清潔な場所を選ぶ
  • 建物  鉄骨、鉄筋コンクリート、木造づくりなど十分な耐久性を有する構造
  • 区画  使用目的に応じて、壁、板などにより区画する
  • 面積  取扱量に応じた大きさ
  • 床   タイル、コンクリートなどの耐久性材料で排水が良く、清掃しやすい構造
  • 内壁  床から1メートルまで耐水性で清掃しやすい構造
  • 天井  清掃しやすい構造
  • 明るさ 50ルクス以上
  • 換気  ばい煙、蒸機等の排除設備(換気扇等)
  • 周囲の構造  周囲の地面は、耐水性材料で舗装し、排水が良く、清掃しやすい
  • ねずみ族、昆虫等の防除  ねずみ族や昆虫などの防除設備
  • 洗浄設備  原材料、食品や器具等を洗うための流水式洗浄設備。従事者専用の流水受槽式手洗い設備と手指の消毒装置
  • 更衣室  清潔な更衣室又は攻囲箱を作業場外に設ける

次に、食品取扱設備についてです。

  • 器具等の整備  取扱量に応じた数の機械器具及び容器包装を備える
  • 器具等の配置  移動しづらい機械器具等は、作業に便利で、清掃及び洗浄をしやすい位置に配置する
  • 保管設備  原材料、食品や器具類等を衛生的に保管できる設備
  • 器具等の材質  耐水性で洗浄しやすく、熱湯、蒸気又は殺菌剤等で消毒が可能なもの
  • 運搬具  必要に応じ、防虫、防塵、保冷のできる清潔な食品運搬具を備える
  • 計器類  冷蔵、殺菌、加熱、圧搾等の設備には、見やすい箇所に温度計及び圧力計を備える。必要に応じて計量器を備える。

次に、給水及び汚染処理についてです。

  • 給水設備  水道水又は飲用適と認められる水を豊富に供給できるもの。貯水槽は衛生上支障のない構造。但し、島しょ等で飲用適の水を得られない場合にはろ過、殺菌等の設備を設ける。
  • 便所  作業場に影響のない位置及び構造で、従事者に応じた数を設け、使用に便利なもので、ねずみ族、昆虫などの防除設備、専用の流水受槽式手洗い設備、手指の消毒装置を設ける。
  • 汚物処理施設  蓋があり、耐水性で十分な容量があり、清掃しやすく、汚液や汚臭が漏れないもの
  • 清掃器具の格納設備  作業場専用の清掃器具と格納設備

次に、飲食店営業に関しての特定基準です。

  1. 冷蔵設備  食品を保存するために、十分な大きさを有する冷蔵設備を設けること。
  2. 洗浄設備  洗浄槽は、2槽以上とすること。但し、自動洗浄設備のある場合、又は食品の販売に付随する者であって、当該食品の販売に係る販売所の施設内の一画に調理場の区画を設け、簡易な調理を行う場合で衛生上支障ないと認められるときは、この限りでない。
  3. 給湯設備  洗浄および消毒のための給湯設備を設けること。
  4. 客席  客室及び客席には、換気設備を設けること。客室及び客席の明るさは、10ルクス以上とすること。また、「食品の調理のみを行い、客に飲食させない営業については、客室及び客席を必要としない。尚、風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律または旅館業法の適用を受ける営業を除く。
  5. 客室便所  客の使用する便所があること。但し、客に飲食させない営業については、客用便所を必要としない。尚、客の使用する便所は、調理場に影響のない位置及び構造とし、使用に便利なもので、ねずみ族、昆虫等の侵入を防止する設備を設けること。また、専用の流水受槽式手洗い設備があること。

飲食店営業許可 営業許可申請書類について

今回は、飲食店営業許可に関して、営業許可申請書類の書き方等についてご説明いたします。

東京都多摩地域の場合(八王子市と町田市を除く)、事前相談・申請書類を提出す保健所は、こちらです。

営業許可申請書の様式はこちらです。黒のボールペンか万年筆でかい書で書きましょう。

個人が申請する場合の記載例は以下の通りです。

出所:東京都福祉保健局・保健所

法人が申請する場合、電話番号は本社の電話番号を、住所は登記上の本社所在地を記載します。

次に、営業設備の大要・配置図の書き方です。こちらが様式です。

営業設備の配置図記載例(飲食店営業)は以下のようなものです。

出所:東京都福祉保健局・保健所

営業設備の大要記載例は下記の通りです。

出所:東京都福祉保健局・保健所

尚、許可申請手数料について、東京都多摩地域・島しょ地域(八王子市と町田市は除く)はこちらです。

飲食店営業 許可申請手続きについて

今回は、飲食店営業許可申請についてご説明いたします。

飲食店営業、喫茶店営業を行う場合、食品衛生法に基づく営業許可が必要になります。ゲストハウスや民泊施設等宿泊施設で食事を提供する場合も、飲食店営業許可が必要です。

営業を行うには、まず、所管する保健所に営業許可申請を行い、都道府県が定めた施設基準に合致した施設をつくり、営業許可を取得することが必要です。

営業許可申請の手続きは、次のような流れで進みます。

1.事前相談 ⇒ 2.申請書類の提出 ⇒ 3.施設検査の打合せ ⇒ 4.施設完成の確認検査 ⇒ 5.許可書の交付 ⇒ 6.営業開始

1.事前相談

施設の工事着工前に施設の設計図等を持参して、事前に所管する保健所に相談します。また、施設ごとに食品衛生責任者をおかなければなりません。更に、貯水槽使用水(タンク水)や井戸水等を使用する場合、水質検査が必要です。食品衛生責任者の資格者がいない場合や水質検査が未検査である場合は、早めに準備しましょう。

※食品衛生責任者の資格について

  1. 栄養士、調理士、製菓衛生士、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者若しくは船舶料理士の資格又は食品衛生管理者若しくは食品衛生監視員となることができる資格を有する者
  2. 食品衛生責任者の資格取得のための養成講習会修了者

2.申請書類の提出

書類は施設工事完成予定日の10日くらい前に提出しましょう。

申請の際に必要な書類は次の通りです。

【個人の場合】

  1. 営業許可申請書 1通
  2. 営業設備の大要・配置図 2通
  3. 許可申請手数料

【法人の場合】

  1. 営業許可申請書 1通
  2. 営業設備の大要・配置図 2通
  3. 許可申請手数料
  4. 登記事項証明書 1通

【個人・法人共通】

  • 水質検査成績書(貯水槽使用水、井戸水使用の場合)※許可後も、年1回以上水質検査を行い、成績書を保管すること。
  • 食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)

3.施設検査の打合せ

申請の際、保健所の担当者と、工事の進行状況の連絡方法や検査日等の相談をしましょう。

4.施設完成の確認検査

検査の際は、営業者が立ち会いましょう。尚、施設基準に適合しない場合は許可になりません。不適事項については改善し、改めて検査日を決めて再検査を受けることになります。

5.許可書の交付

施設基準適合後、保健所が許可書を作成しますが、交付までには数日かかりますので、開店日についてはあらかじめ保健所と打合せしておきましょう。営業許可所が交付されるまで、開店はできませんので注意しましょう。

6.営業開始

営業許可所受領の際は、印鑑が必要です。また、食品衛生責任者の名札を見やすい場所に掲示してください。名札の大きさは、10㎝以上(幅)×20㎝以上(高さ)です。

介護(補償)給付について 日本で働く外国人向け

今回は、外国人を雇用している受入れ企業として知っておきべき労災保険のうち、介護(補償)給付について、ご説明いたします。

介護(補償)給付は、障害(補償)年金または傷病(補償)年金の第1級の方すべてと、第2級の精神神経・胸腹部臓器の障害を有している方が、現に介護を受けている場合に、介護補償給付(業務災害の場合)、または介護給付(通勤災害の場合)が支給されます。

支給の要件

1 一定の障害の状態に該当すること

介護(補償)給付は、障害の状態に応じ、常時介護を要する状態と随時介護を要する状態に区分されます。常時介護または随時介護を要する障害の状態は、次の通りです。

(1)常時介護

  1. 精神神経・胸腹部臓器に障害を残し、常時介護を要する状態に該当する方(障害等級第1級3・4号、傷病等級第1級1・2号)
  2. ・両眼が失明するとともに、障害又は傷病等級第1級・第2級の障害を有する方。両上肢及び両下肢が亡失又は用廃の状態にある方など、1.と同程度の介護を要する状態である方

(2)随時介護

 1.精神神経・胸腹部臓器に障害を残し、随時介護を要する状態に該当する方(障害等級第2級2号の2・2号の3、傷病等級第2級1・2号)

 2.障害等級第1級又は傷病等級第1級に該当する方で、常時介護を要する状態ではない方

2 現に介護を受けていること

民間の有料の介護サービスや親族・友人・知人により、現に介護を受けていることが必要

3 病院又は診療所に入院していないこと

4 老人保健施設、障害者支援施設(生活介護を受けている場合に限る)、特別養護老人ホーム、原子爆弾被爆者特別養護ホームに入所していないこと

給付の内容

介護(補償)給付の支給額は、次の通りです。(平成25年4月1日現在)

(1)常時介護の場合

  1. 親族または友人・知人の介護を受けていない場合には、介護の費用として支出した額(上限104,290円)
  2. 親族又は友人・知人の介護を受けているとともに、①介護の費用を支出していない場合には、一律定額として56,600円、②介護の費用を支出しており、その額が56,600円を下回る場合には、56,600円、③介護の費用を支出しており、その額が56,600円を上回る場合には、その額(上限104,290円)

(2)随時介護の場合

  1. 親族又は友人・知人の介護を受けていない場合には、介護の費用として支出した額(上限52,150円)
  2. 親族又は友人・知人の介護を受けているとともに、①介護の費用を支出していない場合には、一律定額として28,300円、②介護の費用を支出しており、その額が28,300円を下回る場合には、28,300円、③介護の費用を支出しており、その額が28,300円を上回る場合には、その額(上限52,150円)

※月の途中から介護を開始した場合

  1. 介護費用を支払って介護を受けた場合には、上限額の範囲で介護費用が支給されます。
  2. 介護費用を支払わないで親族などから介護を受けた場合には、その月は支給されません。

請求の手続き

介護(補償)給付を請求するときは、所轄の労働基準監督署長に、介護補償給付支給請求書(様式第16号の2の2)を提出します。

提出に当たって必要な添付書類については、必ず添付するものとして医師又は歯科医師の診断書、介護の費用を支出している場合、費用を支出して介護を受けた日数及び費用の額を証明する書類です。

時効

介護(補償)給付は、介護を受けた月の翌月の1日から2年を経過すると、時効により請求権が消滅しますので、注意が必要です。